2021.02.06 | 百年会議会員コラム
エイヤッと飛び込むべき「そのとき」(智頭の森こそだち舎理事長 西村早栄子)
「チャンネルが合った」
私の今の状態、「なぜ『みんなでつくる中国山地』に巻き込まれたか」の答えなのかもしれない。
私は2009年に仲間たちと鳥取県智頭町という93%森林という町で、移住者ながら(だから?)『森のようちえん』という活動を始め今に至る。現在は『森のようちえん』2園とフリースクール、子育て移住者向けのシェアハウスを運営している。
これまでにも、よその方からお声がけを頂いたり、色々な方に出会ってきた。その気になれば様々な『連携』もできたはずだ。けれど、同業者とのネットワークを除いて、ほとんどそういう関係性を築いてこなかった。いや、これなかった。私の視線が内側にばかり向いていたからだと思う。この12年、自分の実現したいモノを築いていくのに必死で、これまたやればやるほど問題・課題もどんどん出てきて、正直周りに目など向けられる余裕もなかったように思う。
10年くらいひたすらに活動の継続に注力していると、私の様なマネージメント能力の低い『経営者』でも、おのずと組織の課題が炙り出されて、次のステージに進めるものなのかもしれない。ここ1年で劇的に変わったのが、NPOの『運営側』が拡充されたこと。私のとても苦手な分野をいとも簡単に解決してくれるスタッフが入ってくれ、ようやくようやく、12年目にして自分たちの組織の置かれている現状が見えてきた。これまで「どうやって団体を維持しよう」と、園児、保護者、スタッフ、新規参入者、移住者にばかり目を向けていたが、もっと大きな視点で、私たちの団体を俯瞰して見られるようになってきた。
そんな『自覚』もまだなかった頃(1年前)に、この『みんなでつくる中国山地』の藤山先生にお声をかけて頂けた。当初、コンセプトも何も理解しておらず、「呼ばれた」「なんか面白そうだから行ってみた」という感じだった(ゴメンナサイ!)。
2020年1月のシンポジウムのパネリストとして参加させてもらったら、会場にはなにやら熱い人たちがひしめいていた。
久しぶりに、自分の事業以外の事で心がときめいた。藤山先生の学者さんとしてのデータに裏付けられた現状分析は勉強になるし、今後の進むべき方向性もしっかりと提示してくださる。事務局の森田さん・田中さんの元ジャーナリストとしての物腰の柔らかさ、事務局機能の高さ、『ヘンタイ』(佐藤さん談)を巻き込む力。すべて事業の参考になる。
他にも中国山地で活躍されておられる魅力的な発起人・事務局・理事の皆さんにも学ばせてもらいながら、私もようやく地域の中での『こそだち舎』の位置づけを改めて見直している。
私にとって中国山地の動きは、進むべき方向を示して頂け、刺激を受け、励まされ、学ばせてもらえる場所だ。何よりワクワクできる場所。私にとってもエイヤッと飛び込むべき「そのとき」なのだ。
(特定非営利活動法人 智頭の森こそだち舎 理事長 西村 早栄子)